新・反デューリング論 6  ― 詐欺師

 JUGEMテーマ:人生論


 狼にやられて、這這(ホウホウ)の体で逃げ出した例の痩せ犬が、また性懲りもなく、野良犬・狐・ハイエナたちの前で、如何に自分が強いかを自慢していました。


痩せ犬 : 俺は、豹くらいまでなら、勝てる。

一同   : オー!

痩せ犬 : 猪なら、突進して来たところを横から倒して、喉を噛み切って殺せる。

一同   : オーー!


 それから、痩せ犬は、後ろを振り返って、狼がいないのを確認して、言いました。

痩せ犬 : 頭を使えば、狼にも勝てる。

一同   : オーーー!


 痩せ犬の話を聞いていた野良犬・狐・ハイエナたちは、どうやれば、この痩せ犬のように強くなれるかをどうしても知りたくなりました。

野良犬 : どうやったら、あなたみたいに強くなれますか?

狐     : そうだよ。それを、俺たちにも教えてくれよ。

痩せ犬 : 教えてやってもいいが、タダってわけにはいかないなー。

ハイエナ: どうすれば、いいんだ?

痩せ犬 : 毎日、酒と女と食い物を用意してくれたら、教えてやってもいいぜ。

野良犬 : わかりました。私が、猿酒のありかを知っていますから、そこにご案内します。

狐     : 俺が、可愛いメギツネを何匹でも紹介してやるよ。

ハイエナ: じゃあ、俺は、毎日、あんたんとこまで、牛や山羊の肉を持って来てやるよ。


 と言うわけで、交渉が成立し、痩せ犬の指導が始まる事に。

野良犬 : ところで、あなたのお名前を伺ってもよろしいですか?

痩せ犬 : 俺か?俺は、エスクロっていうんだ。

野良犬 : じゃあ、エスクロ老師、まず、何をすればいいでしょうか?

痩せ犬 : みんな、まず、自分たちも含めた動物の生態を学んでもらう。

狐     : 動物の生態?

痩せ犬 : ああ、『敵を知り、己を知らば、百戦危うからず』って言うだろ。

一同   : なるほど。

痩せ犬 : これに関しては、俺独自の思想があるから、まず、それから勉強だ。

一同   : ハイ、エスクロ老師!

痩せ犬 : 次に、トレーニングメニューを立てるための理論を学んでもらう。

一同   : ハイ、エスクロ老師!

痩せ犬 : 最後に、実戦における戦闘理論を学んでもらう。頭を使わないヤツは、強く
      はなれないからな。

一同   : なるほどー! よろしくお願いします、エスクロ老師様ー!

痩せ犬 : ウム。(鷹揚に頷く)



 「思想をまとってくる者ほど、愚劣な者はない。
   一番悪い奴は、最初に思想をまとって、やって来る。」(タモリ)



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Heaven & Earth, Ying & Yang.

You always have the ground 
Underneath your feet

You always have the heaven
Over your head

Wherever you go
On the earth



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新・反デューリング論 5  ― 誇大妄想狂

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学

 一匹の眼をギラギラさせている痩せた犬が、イタチや狐やハイエナたちの前で、いかに自分が強いかを得意げに話していた。

 「俺は、これまでケンカに負けた事はない。豹までくらいなら、勝つ自信がある。」

 「オーーー。」(一同、感嘆の声を上げる。)


 一匹のイタチが言った。

 「でも、豹は動きがめっちゃ速いよ。それでも、勝つ自信があるのかい?」

 犬は、バカにした様な口調で答えた。

 「確かに、豹の動きは速い。でもよ、あいつらは、尻尾が長過ぎるのが欠点だ。前足の
 切り裂きパンチさえ躱してしまえば、後は、尻尾を咥えて振り回してやれば、チョロイ
 もんさ。」

 「オーーー。」(一同、感嘆の声を上げる。)


 一匹の狐が言った。

 「でも、猪は怖いだろ?あいつら突進力もかなり強いし、牙も鋭くて、動きだってかな
 り速いぜ。」

 「バカ言っちゃいけない。猪なんてのは、突進するしか能のないトロい連中さ。最初の
 突進さえ躱してしまえば、横から体当たりして転がせる。そしたら、喉笛を食いちぎっ
 て簡単に始末できるさ。」

 「オーーー。」(一同、感嘆の声を上げる。)


 一匹のハイエナが言った。

 「じゃあ、野生の狼はどうだよ?あいつら、自分よりデカイ相手にだって果敢に立ち向
 かって行くし、ケンカだってかなり強いぜ。」

 「確かに狼たちは強いと思うよ。でもよ、俺ら犬はよ、人間に飼われるようになって
 から、いいモン沢山喰ってよ、随分、知恵もつけてきたんだ。同じ体格だったら、体力
 負けする気はしないし、戦略で勝てると思うよ。」

 「オーーー。」(一同、感嘆の声を上げる。)


 すると、犬の真後ろで話を聞いていた狼が、犬の前にやって来た。

 「オイ、犬っころ。さっきから、黙って聞いてりゃ、随分調子こいてくれてんじゃね
 えか。豹に勝てるだと、笑わせんじゃねえよ。そんなにテメエが強えんなら、口じゃ
 なくて、体で証明してみろよ!」

 と言うが早いか、狼は犬に襲いかかった。もの凄い気迫とスピードで狼に攻撃された痩せ犬は、キャンキャンと悲鳴を上げながら、一目散に逃げて行った。



 「この人、弱いよねー。だけど、どの世界でもそうだけど、こう、アピールしたがる人間ほど、若い子に尊敬されちゃうんだよねえ。」
                     (「0号室の客」第4話『追い詰められた男』より)



※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=1719
 

A translation of Hegel's saying

JUGEMテーマ:人生論


人間を
解き放って
自由に
楽しませるのは
神の慈悲である

そして
神自身が
人間を
自らの下へと
追い返すのだ




 

現代のタオイズム

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学


まず、次の文章をお読み下さい。

 「孔子が呂梁(ろりょう・急流を石堤でせき止めたところ)に遊んだとき、そこには三十
 尋(ひろ・約1・5メートル)もの滝がかかっていて、水しぶきを上げる流れは四十里も
 続き、魚類でさえ泳ぐ事のできないところだったが、一人の男がそこで泳いでいるのが
 眼に入った。孔子は悩み事で自殺しようとしていると思い、弟子をやって岸辺から助けよ
 うとした。ところが男は数百歩の先で水から上がると、髪を振り乱したまま歌を唄って歩
 いて、堤のあたりをぶらついた。
 

  孔子は男に尋ねた「私はあなたを化け物かと思いましたが、よく見ると人間でした。
 お尋ねしたいが、水中を泳ぐのに何か特別な方法があるのですか」。
 
 

  男は答えた「ありません。私は慣れたところから始めて、本性のままに成長し、運
 命のままに出来上がっているのです。水の中では渦巻きに身を任せて一緒に深く入り、
 湧き水に身を任せて一緒に出てくる。水のあり方についていくだけで、自分の勝手な心
 を加えないのです。私が水中を上手く泳げるのはそのためです」。
 
 

  孔子はいった「慣れたところから始まって、本性のままに成長し、運命のままに出
 来上がったといわれたが、それはどういうことですか」
 
 

  男はいう「私がこうした丘陵地に生まれ、安住しているという事が慣れた所です。こ
 うした水の流れとともに育って、その流れに安心しているというのが本性(もちまえ)で
 す。自分が何故そんなに上手く泳げるのか、そんな事は分からずにいて、そうあるとい
 うのが、運命(さだめ)なのです)」。 
  (「荘子 達生篇」http://www4.tokai.or.jp/kyuguan/17_23souji.html


 ご存知、流れに身を任せて生きるタオイズムのお手本ともなるべき秀逸な寓話ですね。確か、和尚ラジニーシなんかもこの寓話を使って講話していたような記憶があります。

 ここにご紹介させて頂いた文章には、男が滝つぼで単に泳いでいたように書いてありますが、別の訳では、「滝壺に飛び込んだ」と書いてあります。

 しかし、現実にこういう事が可能なんでしょうか?体の力を抜いて、流れに身を任せていれば、命の危険はないのでしょうか?

 この寓話は、確かに美しい寓話ですが、現実的に不可能な事かもしれないのに、こういう話を鵜呑みにするのは非常に危険です。実際に、川に飛び込むにしても、この寓話が語る哲学を実人生に応用するにしてもです。

 そう考えた私は、以前、ある人にこの疑問をぶつけてみた事があります。

 その人は、幼い頃から川遊びをして育ち、高校生になってからは、古式泳法と水球を学んだ人でした。

 彼は、私の質問を聞いて、こう答えました。

 「川の流れに身を任せた方が、安全だというのは、一面の真理ではある。しかし、完
 全に身を任せてはいけない時もある。例えば、急流で大きな岩に激突しそうになる時
 だ。そういう時は、ぶつかる寸前に両足裏を岩に当てて岩を蹴らねばならない。さも
 ないと岩に激突して、大怪我をする。

  次に、滝壺に落ちる時も、要注意だ。滝つぼの深さはまちまちで、落ちて水面に浮
 き上がってくるまで、どの程度時間がかかるか分からない。だから、落ちる前に思い
 っきり息を吸い込んで、心の準備をしてから、落ちて行かないといけない。

  もう一つ川で気をつけねばならないのは、渦だ。渦に巻き込まれるときは、滝壺に
 落ちる時と同じ様に、思いっきり息を吸って、自ら進んで底に沈んだ方がいい。そう
 する事によって、より早く水面に浮き上がる事ができる。」

 幼い頃から、川で遊び、何度も死にかけた事のある人の言葉ですから、重みがあります。この人は、何度も川で失敗して、川での泳ぎ方をマスターしたそうです。その経験を活かして、川で溺れかけた人を助けた事もあると仰っていました。
 
 この話をこの方に伺うほんの少し前に、川の中州でキャンプしていて、濁流に流されて人が亡くなるという事件がありました。

 この事についても、質問してみました。「そのとき、無理に泳ごうとしないで、流れに身を任せていれば、その人たちは助かりましたか?」と。

 すると、この方は、こう答えました。

 「ダメだ。濁流に飲み込まれたら、全く自分の体をコントロールできなくなる。コント
 ロールできないから、後ろ向きに岩に激突する危険もある。もし、流れに身を任せて助
 かりたかったら、流れがまだ緩やかなうちに、流されるべきだった。」

 この人の話から、人生の教訓を引き出すとすれば、以下の如くになるでしょう。

 流されて
 いきながらも
 要所、要所で
 意志を使うのなら
 
 人生の 緩やかな
 流れに
 身を任せてもいい

 だが、
 決して
 人生の
 濁流に
 飲み込まれては
 ならない

 
 「龍のタオイズム」でした。

 Good night. See you in our dream !



※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=1195
 

新・反デューリング論 4  ― 現実の厳しさ

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学



 ある哲学者が、労働者たちの前で講義した。講義の内容は、観念論哲学である。

 「君たちは、苦しいと思うから、苦しいんだ。苦しくないと思えば、苦しくない。」

 それを聞いていた労働者たちの中から、一人の男が立ち上がって、ツカツカと哲学者に歩み寄り、彼の顔を思いっ切り拳骨でブン殴って、こう言った。

 「痛くないと思えば、痛くない!」


 

 現実のゲの字も知らない学者が、机上で考え出した役にも立たない観念論よりも、一労働者の放ったパンチと皮肉の方が、はるかに深く現実の厳しさを教えています。


※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=991


新・反デューリング論 3  ― イソップとデューリング

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学


 「人は、他人より優位に立とうとする時、自分の能力を高めるよりも、他人の欠点を
 探し、落し入れようとする事があります。まあ、その方が楽ですから。でも、それを
 続けた時、能力は、間違いなく下がるのです。」(「0号室の客」より)


 イソップ   : もしもし、デューリングさんですか?

 デューリング: そうだけど、君は誰かね?

 イソップ   : イソップと申します。

 デューリング: なんの用かね?

 イソップ   : ちょっとお聞きしたい事があるんですが・・・・・・

 デューリング: 私に何を聞きたいのかね?

 イソップ   : 皆さん、あなたが何の実績もないのに、あなたなんかより遥かに実績
         を上げている人たちを批判していい気になってるって、文句仰ってるん
         ですけど。その事について、どう思われますか?

 デューリング: 貴様、俺を誰だと思ってるんだ!

 イソップ   : オイゲン・デューリングさんでしょう?で、さっきの質問なんですけど・・・・・・

 デューリング: この無礼者!(ガチャン!電話が切れる。)


 「人を批判するのに、自分の真実が知られるの恐いのか?」(「0号室の客」より)



※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=979
 

新・反デューリング論 2  ― 幻滅

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学



 少年が海を見ていました。沖に大型の船が見えます。その船が、岸に近づくにつれて、それは大型の船ではなく、小さなボートに見えてきました。更に、それが岸に近づいてくると、少年は、それがただの木の切れ端にしか過ぎない事に気がつきました。(イソップ物語)

 
 
人は、自分の遠くに存在する場所や物や人をより美化して見る傾向があるようです。実際に、近くに来てよく見てみると、或いは実際に会ってみると、全然大した事はなかったと分かり、失望することも少なくありません。


 人は、時に幻想に憧れる事があります。そして、それが幻想だった事に気づいた時、人は、一つ成長できるのです。(「0号室の客」より)


※この記事のURL:http://koshiki.jugem.jp/?eid=978


新・反デューリング論 1  ― 他人の批判が好きな人々

JUGEMテーマ:思想・啓発・哲学



 「俺は、今まで自分では何もせず、何かやってる人を中傷する事で、その人より上に立ってるような気になってるだけだった。」(「0号室の客」)

 
オイゲン・デューリングのような人は、いつの時代にもいます。エンゲルスは、「反デューリング論」の中で、「デューリング氏が批判している人物の中で最も小さい人物でさえ、デューリング氏よりは、遥かに巨大だ。」と手厳しく批判しています。

 生産的な批判ならやってもいいとは思いますが、単なる批判のための批判は、やるべきではありません。批判のための批判と言うのは、劣等感や嫉妬の裏返し、あるいは単なる無礼でしかないからです。

 誰かを批判するのなら、せめて批判対象者以上の研鑽を積み、批判対象者以上の実績を出してから、批判して欲しいもんです。実績の「じ」の字も出していないくせに、口や文章だけで他人を上から目線で批判して、いい気になってる人がいますね。誰とは、言いませんが・・・・・・。

 

 そういう批判者の批判は、一見理屈が通っているようですが、よく注意して聞いていると、実体験による裏打ちの全くない底の浅い理屈や理論にしか過ぎない事がすぐに分かります。彼らは、自分たちが何をやっているかに気がついていないんでしょうね。気がついていたら、恥ずかしくて、とてもああいった事は出来ないはずなんですが。


 あるいは、心のどこかでは気付いても、そうする事でしか自分に誇りを持てないんでしょう。誇りを持つのは、構わないんですが、シッカリとした実績に基づいた本当の誇りを持って欲しいですね。

 

 地道な努力で、シッカリとした実績を築いている人は、よっぽどの必要がない限り、他人の批判なんかやりません。常に自分に足らない所を自覚しているので、他人の粗探しなんかやってる暇はないからです。他人の粗探しをする暇があったら、自分自身を磨いてほしいですね。

 「人の振り見て、我が振り直せ。」と言います。あんな風にだけはなりたくないと、いつも自分を戒めています。 

 他人の粗探しをして、批判するのは、簡単な事です。冒頭の言葉通りに、他人を批判・中傷することで、自分が偉くなったような気になれるのも事実です。しかし、そうする事によって、自分の成長を止めてしまい、人生の貴重な時間を無駄遣いしてしまう事になるのです。

 逆に、他人の言葉に謙虚に耳を傾け、そこに真理を見出すのは、容易な事ではありません。しかし、そうする事によって、自分の人生を豊かにする事ができるのです。


 「他人の首を切っても、自分の身長が伸びるわけではない。」(スワミ・スリ・ユクテスワ)
 

 
 他人の批判に忙しい人でも、自分の周辺だけでやっている分は、まだ許せます。自分自身が損するだけで済みますから。でも、デューリング氏のように影響力の大きな人が、何の根拠もない非建設的な批判をするのは、頂けません。誰かを批判している人物の追従者たちが、それを鵜呑みにして、誤った思想や概念が広まってしまい、混乱が生じるからです。

 社会に対して大きな影響力を持つ立場にいる人たちは、自分の言葉が社会に及ぼす影響の大きさを自覚し、その結果についてはキチンと責任を持つべきでしょう。



※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=968


「現実」と言う名の公案

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 「人間は愛・苦悩・死などの限界状況において、超越者と出会う可能性を
  持つが、それは、超越者の送る暗号の解読による」(カール・ヤスパース)


 さすがに哲学者だけありますね。なんか難しい事を、難しい言葉で、難しく言っていますが、要するに、現実が自分に突きつけてくる暗号=ナゾナゾを解くことができれば、苦難から自分自身を解放することが出来るよとヤスパースは言いたいわけです。

 「夢日記 23  ― 危機一髪」(http://koshiki.jugem.jp/?eid=899) でご紹介した古代文字の解読の夢も、無意識が別の材料を使って、ヤスパースが言っているのと同じ事を私に伝えようとしたのもです。


 さて、「無意識との対話」の著者、翔・仁・龍の三人は、見事に超越者の与える暗号を解き、真の夢使い=Dream Masters になる事ができるでしょうか?



※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=949

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