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稽古ノート 128  ― トンファーによる合気上げ

JUGEMテーマ:空手道

 

 12月中旬までご出張のはずだったTさんが一時帰福なさったので、本日はTさんとの久々の稽古となった。

 

 レジャーシートを敷いてから、まず受け身のための脱力体操をやってもらう。これは、受け身があまりお上手でなかったTさんのために、私が指導した練習方法である。本格的に受け身をとってもらうのではなく、力を抜いてユックリと転がってもらうだけのモノだ。

 

 久しぶりにその動きを見て、かなり様になって来たのが分かったので、中腰の状態から受け身を取ってもらった。私の予想通り、Tさんは、肩や背中を地面に打ち付けることなくスムーズな受け身をお取りになられた。

 

 

 受け身が問題なかったので、早速合気技の稽古に入る。いつものように正座して、合気道の座技呼吸法のような稽古から始める。尤も、我々がやっているのは、合気道の座り技や合気柔術のそれとは、少し異なるものである。

 

 私が空手・拳法を専門にしているため、所々に八卦掌の手の形や琉球古武道の動きが入っているからである。

 

 所謂「合気技」も、相手の持ち方や力の入れ方によって、使う型を変化させねばならない。我々は、相手が腕全体に力を入れて此方の体を掴んで来る場合と、前腕だけに力を入れて掴んで来る場合とを区別して、技を使い分けている。 

 

 合気技は、神秘的な技術のように思われているが、所詮人間がやる事である。原理が分かってしまえば、それほど難しい事ではない。また、合気技が効かない場合もある。

 

 どんな場合に効かないのか?

 

 大東流合気柔術の堀川幸道先生は、

 

 「”ウマシカ”と赤ん坊と攻撃心のない奴には、合気は掛からない。」

 

と仰っていたそうだ。まず、力を入れずにフワッとしかこちらの体を握らない人、或いは、力を入れてこちらの体を握って来ようとしない人には、合気技は掛からない。現に、堀川先生のご指導の様子を写した動画には、弟子がしっかりと力を入れて握ってないために、技のかかりが悪くなっている場面が、二、三出て来る。”ウマシカ”と赤ん坊には、合気はかからないというのは、こういう意味である。

 

 また、相手が力を入れてこちらを握っていても、その人が自分の木刀を握るように此方の体を握っていれば、やはり合気技は掛からない。こういう人は、自分の中心軸から動かずに、しかも此方の中心軸を崩そうとはしていないので、やはり合気は掛からない。攻撃心のない奴には合気は掛からないというのは、こういう意味である。

 

 上記のような場合は、合気ではなく、ごくごく普通の柔術や取手の関節技を掛けた方が手っ取り早い。力を入れて抵抗する人に比べると、遥かに関節技が掛かりやすいからである。

 

 堀川先生は、大東流柔術を武田惣角先生から学んでいらっしゃらかったと聞いた事がある。堀川先生は合気技だけでは、うまく処理できない場合もあるとお気づきになられたので、佐川幸義先生の所に柔術を学びに行かれたのではないだろうか?あくまで、私の推測であるが・・・・・・

 

 

 さて、我々の稽古に話を戻す。一応合気技の稽古が一通り終わったので、今日は、新たに「合気上げ」お教えすることにした。

 

 私の編み出した合気上げは、正座している両ひざの上に置いた両腕の手首に相手が体重を掛けて抑え込んで来た場合に使用するものである。こういう状態で合気上げをやるのはかなり難しい。接触面に意識が行ってしまうと、体重を掛けて来る相手がどうしても有利になってしまうからだ。

 

 力ずくで、上げようとするのではなく、上手にイメージを使って、相手の気を取る事が肝要である。

 

 Tさんにイメージを上手に使ってもらうために、一旦レジャーシートの外に出てもらって、古神道の天之鳥船行法を教えた。但し、合気道の道場でやっているような素手による船漕ぎ運動ではなく、トンファーの打ち上げ技を船漕ぎ運動に合わせて行うのだ。それプラス、太極拳の撓りも入れる。

 

 左右、三回ほどやってもらった後、再びレジャーシートに戻り、正座して対面した。Tさんには、膝の外に物打ちの部分を出して両手にトンファーを持ってもらい、私が上から両手首を抑え込んだ瞬間に、船漕ぎのイメージ+トンファー打ち上げのイメージで「息を吸いながら」両手を引いてもらった。

 

 Tさんは、見事に私の抑え込んで来た気を取って、私の体を浮かせる事が出来た。一旦、相手の体を浮かしてしまえば、後は簡単である。今度は「息を吐きながら」上に浮いた相手の体を右か左に落とせばいいだけの話だからだ。

 

 ちゃんと教えれば、誰でもすぐにできるのが合気上げである。もっとも、半年以上サンチンガーミを持って筋を鍛えていたTさんだからこそ、すぐに出来たという面はあるが。

 

 これは、合気上げに限らず、秘技と呼ばれる他の技にも言えることだが、正しいイメージの使い方を知らなければ、どんなに長い間その技の表面的な型だけを練習しても、その技を使えるようにはならない。また、その技を担う「身体」が出来ていなければ、正しいイメージを使えても、やはりその技を使えるようにはならない。その場合は、鍛錬法そのものが秘伝という事になる。

 

 参考にして頂ければ、幸甚である。(続く)

 

 

 

※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=2770

 

 


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  • 2019.11.05 Tuesday
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