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稽古ノート 130  ― 水を師とする

JUGEMテーマ:空手道

 

 

 上の動画は、ブルースリー原案のテレビドラマ「燃えよカンフー」の中の一シーンである。少林寺に入門したクワイ・チャン・ケイン少年が、師匠に紙を破かずに紙の上を歩くように言われて、出来る限りソフトに歩くのだが、紙は破れてしまう。

 

 私が修行した古式の拳法にも似たような稽古方法があった。地面に落ちている枯れ葉や床に敷いた新聞紙の上を、なるべく音がしないように歩くのである。これが、やってみるとかなり難しい。上のシーンでのケイン少年のように普通に歩いていたら、絶対に大きな音が立ってしまう。

 

 では、どうすればいいのか?

 

 まず、腰を落として、片足にユックリと体重を乗せる。次に、もう片方の足をユックリ抜いて、足の裏を地面や床に平行にしつつ、力を抜いてユックリと足の裏を接地させる。最後に、音がなるべく出ないように細心の注意を払いながら、接地させた足に少しずつ体重を乗せる。後は、この作業を繰り返すだけだ。

 

 これができるようになったら、いろんな方向にいろんな角度で足を置く練習をするのである。以前も「稽古ノート 27  ― 抜き足」(http://koshiki.jugem.jp/?eid=1813)で述べたが、不思議な事にこの鍛錬をやると、師匠から形を学ばなくても、自然に上半身の形が決まって来るのである。

 

 次に、成功例を動画で見てみよう。

 

 

 デヴィッド・キャラダインも、やはり腰を落として歩いている。ま、これは基本通りであるが、現実的にはこんなに速くは歩けない。もし、速く歩けば、紙は破れてしまうし、必ず音も立ってしまう。これ程速く歩いて、紙も破れないし、音も立たないという人がいたら、その人は軽身功の達人だろう。

 

 上記の鍛錬は、「紙(枯れ葉)を師匠とする稽古」である。

 

 Tさんにも、滞在なさっているホテルの部屋でこの稽古をやってもらった。公園でも枯れ葉の上を歩いてもらったが、かなり上手にお歩きになっていた。久しぶりに、私もTさんと一緒に、枯れ葉の上を歩いてみた。Tさんは、歩き方が些かワンパターンになってらっしゃったので、別のパターンの足の運びも指導した。

 

 師匠は、何も人間だけとは限らない。動物や虫、或いは枯れ葉や新聞紙などの無生物も師とすることができるのだ。

 

 また、ご出張なさるTさんのために、もう一つ無生物を師匠とする稽古法を伝授することにした。手洗いで、Tさんに持参してもらったプラコップ二つに水を汲んで来てもらう。

 

 まず、私が水が注がれたコップを持って、手本を示す。騎馬立ちで片手に水が入ったコップを持って、水の表面が波立たないように注意しながら、太極拳の雲手のような動きで、なるべく速く左右に動かした。少しでも、腰が上下したり、左右に傾いたりしたら、すぐに水面が波立ったり、水平な状態を保てなくなる。

 

 これも、やってみると結構難しい。師匠の言葉によると、水面を傾けたり、波立たせたりさせずに、出来る限り速く動けるようになれば、最も効率のいい動きになるそうである。

 

 一対一で組み手をする時に、この稽古の効果を感じることはあまりなかったが、二人掛けや三人掛けなどの多人数組手をする時には、確かにこの訓練の効果が出ていたように思う。一人の敵を倒して、次の敵に向かっていくときに、実にスムーズかつ無意識に体が動いていくのだ。

 

 参考にして頂ければ、幸甚である。

 

 

※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=2775

 

 

 

 


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  • 2019.11.05 Tuesday
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