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ヌミノースな世界 60  ― 紙銭

JUGEMテーマ:ノンフィクション

 

 王媛媛は、女子高生である。中国の高校生活は、かなり厳しい。朝自習が6時から始まり、夜自習は10時45分まである。他人に縛られる事が嫌いな媛媛は、三年生の春に、規則が厳しい高校の寮を出て、女友達と三人でアパート住まいを始めた。

 

 外で生活するようになってから、高校での厳し過ぎる規則への反動で、三人でよく夜遊びをするようになった。毎晩、夜中の三時ころまでバーに行ってタバコを吸い酒を飲んで騒いでいた。

 

 ある晩、いつものように外で遊んで帰宅した。アパートの前には、媛媛たちが引っ越して来たときから白いトラックが一台停まっていて、そのトラックの横を通る時、いつもみんなで中を覗くのが習慣のようになっていた。

 

 その時も、みんなで中を覗いた。だが、この時は、いつもと違っていた。トラックの運転席に知らない男が座っていて、憎悪に満ちた顔で媛媛を睨んでいたのだ。その事を二人に告げても、他の二人は、何も見えないと言う。

 

 それから、部屋に帰って床に就いた。翌朝起きると、媛媛の右目の下にピーナッツ大の吹き出物が出来ていて、発熱が始まった。最初は、それほど熱は高くなかったが、段々熱が上がり始め、下痢や嘔吐が始まった。食べた物を全て吐いた後も、胃液を吐き始めた。

 

 熱を下げるために、白酒(パイチュウ)をハンカチに浸して、額・脇の下・足の裏に貼ったが、熱は下がらない。その日は、学校を休んで、両親に連絡した。親が来て、すぐに彼女を病院に連れて行ってくれた。病院で治療を受けて、自宅に戻り、病院でもらった薬を服用し休養を取ったが、症状の改善は見られず、熱が断続的に9日間も続いた。

 

 解熱するために、漢方薬を買って、家で処方し服用したが、やはり治療効果は全く見られず、逆に激しく嘔吐する始末である。

 

 媛媛の症状を見て、彼女の祖母が、

 

 「これは、普通の病気じゃない。媛媛、お前、熱が出る前に何か変わった物を見たり、変な事を経験したりしなかったかい?」

 

と媛媛に尋ねたので、彼女は、トラックの運転席に座っていた男が自分にだけ見えた話を祖母にした。祖母は、

 

 「それは、霊障じゃ。」

 

と言って、すぐに霊現象に詳しい親戚に電話した。その親戚から霊媒師を紹介してもらい、指示を仰いだ。霊媒師は、まず寺に行って、符を買い、それを媛媛の額に貼り、次に紙銭を北の方角に向かって焼くようにと指示した。なお紙銭を焼いた人は、決して後ろを振り返らずに、その場を立ち去る様にとも言われた。

 

 霊媒師の指示通りにすると、媛媛の体調はすぐに回復し始め、彼女は、祖母の顔を見て、

 

 「お祖母ちゃん、お腹空いた。」

 

と久しぶりに空腹を訴えた。翌朝、彼女は、真っ黒い痰を四つ吐き出した。その痰は、霊障によって肉体に溜まっていた毒素である。その痰を吐いた翌々日、彼女は完全な健康体に戻り、学業に復帰した。

 

 なお、その霊媒師の話によると、媛媛の前頭骨と頭頂骨の間の裂け目が開いているので、彼女は霊的なモノが見えやすい体質になってしまったと言う事だった。

 

 

 

※この記事のURL: http://koshiki.jugem.jp/?eid=2935

 

 

 


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  • 2020.04.01 Wednesday
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